一般的に店舗ビジネスが取り組むWeb施策と言えば、SEO対策やリスティング広告(PPC広告)、媒体広告などがあげられます。しかし近年では、MEO対策が注目され、多くの店舗ビジネスが認知拡大、集客促進で取り入れています。では、MEO対策とは具体的にどういう施策なのか、そのメリットは何か、どうやって対策していくのか。本記事では、MEO対策の全体像について解説します。MEO対策に興味がある方はぜひお役立てください。【目次】
MEO対策とは地図検索で上位化を目指す施策
MEO対策とは、Googleマップに登録されている店舗の検索順位を上昇させる施策のことです。対策に成功するとGoogleマップのみならず、Google検索の検索結果でも自社のビジネスが上位に表示されるようになります。
Google検索で「地域+業種」のキーワードを入力したとき、このような画面を見たことはないでしょうか。この画面は「ローカル検索結果」といい、特定の地域の施設などを検索したときにあらわれるものです。赤枠の部分を見てみると、そのエリアにある店舗の情報が3つ表示されています。MEO対策は、この3つの枠に自社のビジネスをランクインさせることを目指します。
MEO対策のメリットとは?
MEO対策には、SEO対策やリスティング広告、媒体広告などにはないメリットがあります。ひとつずつご説明します。
SEO対策より短期間で上位表示可能で費用がリーズナブル
MEO対策はSEO対策に比べて上位表示までの期間が短い傾向にあります。SEO対策は内部構造を整えたり、コンテンツを追加したりと、サイト全体に施策を施さなければなりません。そのため一般的には上位表示まで6ヶ月~1年はかかります。
しかしMEO対策の場合は、早ければ1週間ほどで上位表示を実現することができます。費用的な面でも期間的な面でもSEO対策より魅力的です。また、MEO対策はSEO対策よりもランニングコストがリーズナブル。SEO対策は最低でも月額30万円ほどかかるのに対して、MEOは月額数万円ほどであることが多いです。
関連記事:MEO対策とSEO対策の違い|今の時代、SEO対策よりMEO対策なのか?
モバイル検索での露出増加が期待できる
2021年3月にドイツの企業SISTRIX(シストリックス)がモバイル検索とPC検索に関する調査を実施し、結果を公開しました。その結果、日本ではPC検索が約25%、モバイル検索が約75%という利用比率であることがわかりました※1。つまり、4分の3の検索がスマートフォンでおこなわれているわけです。
このような検索比率の傾向は、MEO対策に取り組む意味を大きくしてくれます。モバイル検索では、「地域+業種」で検索すると、ローカル検索結果がファーストビューに表示されるからです。モバイル検索での露出増加によって、新規の顧客獲得を有利に進めやすくなります。
※1:検索されるトピックによって異なる。
効率的に見込み客への認知拡大、集客促進を実現できる
MEO対策では、上位表示を目指すキーワードの多くが「地域名+業種名」です。たとえば、「渋谷(地域名)+居酒屋(業種名)」などがよい例としてあげられます。このようなキーワードは、ユーザーの意図が明確なタイプです。「渋谷+居酒屋」でいうと、検索意図は「渋谷で居酒屋を見つけたい」ということになります。
MEO対策でローカル検索結果に表示されていれば、検索意図が明確なユーザーに自社の店舗を効果的にアピールすることができます。こうした「ユーザーの検索意図」が明確なキーワードで対策ができるところもMEO対策ならではのメリットです。
本格的に対策している競合が多くない
SEO対策やWeb広告、媒体掲載などの施策は今や当たり前の施策です。取り組んでいる企業はたくさんあります。しかし、MEO対策が広く認知されはじめたのは最近です。さらに、ほかの施策に比べると運用にかける手間、費用などの負担が少なく済むことから、自力で実施する企業が多いです。
それゆえに優先度が低くなりやすく、とりあえずビジネスプロフィールを開設しただけで、本格的に対策していない企業がほとんどです。対策に力を入れることで、ローカル検索での自社ビジネスの優位性を確保することができます。競合と差をつけられます。
MEO対策の具体的な対策のやり方
では、MEO対策のやり方について解説します。
1.Googleビジネスプロフィールに登録する
2.Googleビジネスプロフィールに情報を入れる
3.インターネット上の他の媒体で掲載を増やす
4.口コミを増やす
5.順位チェックツールを活用する
上記の流れがMEO対策の基本です。それぞれについて詳しく説明します。
MEO対策その1:Googleビジネスプロフィールに登録する
まずはGoogleビジネスプロフィール(以下:ビジネスプロフィール)に店舗の情報を登録しましょう。ビジネスプロフィールは、Google検索やGoogleマップに自社のビジネスの情報を表示できる無料のツールです。
関連記事:Googleマイビジネス(ビジネスプロフィール)とは?できることやメリットなど徹底解説!
ビジネスプロフィールに店舗の情報を登録することで、MEO対策の土台が整います。以下の記事を参考にしながらビジネスプロフィールへの登録を済ませましょう。
関連記事:初めてでも簡単にできる!Googleマイビジネス(ビジネスプロフィール)の登録方法!
MEO対策その2:Googleビジネスプロフィールの情報を入れる
ビジネスプロフィールの登録が完了したら、次にやることは「情報を充実させること」です。当たり前ですが、ビジネスプロフィールを作成した時点では、まだ情報が不足しています。この状態で上位化することはほぼできないでしょう。
Googleは、ローカル検索での掲載順位を決めるシグナルのひとつに「関連性」をあげています。これは、検索キーワードとビジネスプロフィールの合致の度合いを見たものです。つまり、ビジネスプロフィールの情報を充実させれば、検索キーワードとの関連性が上がり、ローカル検索での掲載順位に好影響を与えることができます。
ビジネスプロフィールの情報が充実しているページとそうでないページとでは、しっかりと情報が盛り込まれているページのほうがGoogleから評価されます。
このように、MEO対策の観点からもユーザビリティー対策の観点からも、ビジネスプロフィールの情報はきちんと埋めておく必要があります。以下の記事を参考にしながらビジネスプロフィールの情報を充実させていきましょう。
関連記事:Googleマイビジネスの編集方法|魅力的なアカウントにするためのポイントもご紹介
MEO対策その3:インターネット上のほかの媒体で掲載を増やす
Googleが公表するローカル検索での掲載順位を決定するシグナルは3つあります。
・関連性
・距離
・視認性の高さ
インターネット上で自社ビジネスに関する情報を露出させることは、「視認性の高さ」と関係しています。
視認性の高さとは、ビジネスがどれだけ広く知られているかを指します。ビジネスによっては、オフラインでの知名度の方が高いことがありますが、ローカル検索結果のランキングにはこうした情報が加味されます。たとえば、有名な博物館、ランドマークとなるホテル、有名なブランド名を持つお店などは、ローカル検索結果で上位に表示されやすくなります。
ビジネスについてのウェブ上の情報(リンク、記事、店舗一覧など)も視認性の高さに影響します。Google でのクチコミ数とスコアも、ローカル検索結果のランキングに影響します。クチコミ数が多く評価の高いビジネスは、ランキングが高くなります。ウェブ検索結果での掲載順位も考慮に入れられるため、検索エンジン最適化(SEO)の手法も適用できます。
ここで注目して欲しいのは「ビジネスについてのウェブ上の情報(リンク、記事、店舗一覧など)も視認性の高さに影響します」の部分です。これはつまり、自社ビジネスに関する情報がインターネット上にあればあるほど、掲載順位に好影響を与えることができることを意味します。Webサイトや媒体、SNSなど、さまざまなメディアを活用し、自社ビジネスの情報を露出しましょう。ただし、ビジネスの情報は統一することを忘れないようにしましょう(住所の半角、全角など)。
MEO対策その4:Googleビジネスプロフィールの口コミを増やす
ビジネスプロフィールには実際にサービスを利用したユーザーが口コミを投稿できる機能があります。口コミをたくさんもらうこともMEO対策では重要になります。口コミが多ければ、Googleに「ユーザーから人気のサービス」と認識してもらうことができるからです。それが、掲載順位の上昇を支える要因になります。
また、たくさんの口コミはユーザーが情報収集する際に役立ちます。さらに、情報取集の過程で良い口コミが多ければ、サービスの利用を検討しているユーザーのモチベーションを高めることもできます。口コミは上位化を目指すうえでも、ユーザーの行動を促すうえでも重要な要因なのです。
口コミの数を増やしたり、良い口コミを投稿してもらったりするためには、大前提としてユーザーが満足できるサービスを提供する必要があります。ビジネスプロフィールの上位化を目指すときは、テクニカルなことばかりに目がいってしまいがちです。しかし、基本に立ち返りユーザーのことを考えたサービスを提供していくことを心がけましょう。そのうえで、ビジネスプロフィールへの口コミ投稿を促すのが理想です。
ユーザーのためになる(ユーザーが喜ぶ)サービスを提供する
↓
ユーザーにビジネスプロフィールへの口コミ投稿を知らせる
↓
ユーザーが「良いサービス(お店)だった」と口コミをする
↓
Googleのアルゴリズムがランキングを決めるときの参考にする
↓
より多くのユーザーがサービスを認知する
関連記事:Googleマイビジネス(ビジネスプロフィール)の口コミを増やす方法
MEO対策その5:順位チェックツールを活用する
ローカル検索に自社ビジネスの情報を表示させることを目指すうえで、日ごろの順位チェックは大切になります。定期的に順位を確認することで、上位化を成功させるための対策に取り組むことができるからです。たとえば、対策をおこなったあとに順位が下降したら、そのやり方は適切でなかったという判断ができます。それが、対策の改善に取り組めるきっかけとなります。
一方、対策後、順位の上昇が見られたら、引き続き適切な施策に取り組んでいくことができます。また、順位チェックはローカル検索結果のアルゴリズムの傾向をつかめることにもつながります。しかし、順位をチェックするたびにローカル検索結果を目視で確認していては多くの時間を取られてしまいます。そこで、活用したいのが順位チェックツールです。順位チェックツールを導入すれば、効率よく自社の店舗の順位を確認できるようになります。
関連記事:MEO対策において順位チェックツールを使う必要性とは?弊社ツールもご紹介
集客促進に効果的!コンバージョンを高める方法
MEO対策で自社ビジネスの露出を増やせれば、新規ユーザーからのアクセスを集めることができます。しかし、順位が上がれば必ずサービスを利用してくれるのかと言うと、そういうわけでもありません。自社ビジネスの認知を広げても、それが期待するアクションにつながるとは限らないのです。では、どうすればユーザーのサービス利用を促せるのか。それには、ビジネスプロフィールを充実させていくなかで、以下のような工夫が必要になります。
魅力的な写真の設定
ビジネスプロフィールには写真を設定することができます。この写真を魅力的なビジュアルにすることで、ユーザーのモチベーションを高められます。ただし、ビジュアルを意識するあまり実際のイメージとかけ離れた写真を設定してしまうことには注意が必要です。設定する写真はなるべく現実味を帯びたものにすることが大切になります。
アップした写真と実際の店舗のイメージがかけ離れているとユーザーにギャップを与えてしまう可能性があります。結果、ネガティブな印象を与えることになりかねません。店舗に対するイメージがネガティブなものになると、リピートしてくれないことはもちろん、悪い口コミを投稿される可能性も高くなります。ビジネスプロフィールに投稿する写真は、実際のイメージと近いものにすることと同時に、ビジュアルを意識したものにすることが重要です。
「投稿機能」の活用
投稿機能とは、自社の商品やサービスなどの情報をビジネスプロフィールに公開できるものです。投稿機能を活用することで、ユーザーにタイムリーな情報(最新情報など)をアピールできます。
投稿内容は、「特典」「最新情報」「イベント」の3つです。たとえば、割引特典やイベント情報を公開したりすれば、その情報に興味を持ったユーザーを集客できる可能性が上がります。
インドアビューの設定
インドアビューとは店内の様子をGoogleマップで閲覧できるようにしたものです。ユーザーはインドアビューを利用することで、実際に店舗に行かなくてもまるで店内にいるかのような体験が可能になります。
ユーザーはリアルな情報を得られるようになるため、見せ方次第では来店意欲を高めることも。インドアビューは集客につなげるうえで大きく貢献してくれます。コンバージョンを高めたい方はぜひ充実させておきたいポイントと言えます。
MEO対策の本質とは?
MEO対策はローカル検索での掲載順位を上げる施策であることに間違いはありません。実際、MEO対策を取り入れるとなると、ローカル検索での順位上昇を目指すことにスポットが当てられます。ですが、その本質はローカル検索での露出を増やすことではありません。やはり自社ビジネスを認知してもらい、その利用を促すこと。そしてサービス利用を通じてユーザーに満足してもらう。これがMEO対策の本質です。
ここまで、MEO対策のやり方やコンバージョンアップのポイントなど、テクニカルなことを中心にお伝えしてきましたが、結局のところは、良質なサービス提供を通じてユーザーに満足してもらうことが大切です。MEO対策はそれを実現する手段となります。MEO対策に取り組む際は心がけておくことをおすすめします。
まとめ
MEO対策は自社ビジネスの認知拡大、集客促進で強力な味方となってくれます。ほかのWeb施策に取り組んでいるけど成果が出ない…。媒体に掲載しているけどコストが膨らんで困っている…。という方は、MEO対策を検討してみてはいかがでしょうか。
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